八重咲やへざき)” の例文
はや其夜もすで亥刻よつどき過皆々とこへ入たる樣子やうすにて座敷々々ざしき/\しんと成ければ瀬川せがは用意ようい短刀たんたうかくもち八重咲やへざきの座敷へゆき八重咲やへざきさん/\とよぶ八重咲やへざきは何のつかずアイとこたへて廊下らうかへ出るをなにか用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あらそひ入り來る故實に松葉屋の大黒柱だいこくばしら金箱かねばこもてはやされ全盛ぜんせいならぶ方なく時めきけるうちはや其年も暮て享保七年四月中旬なかば上方かみがたの客仲の町の桐屋きりやと云ふ茶屋より松葉屋へあがりけるに三人連にて歴々れき/\と見え歌浦うたうら八重咲やへざき幾世いくよとて何も晝三ちうさん名題なだい遊女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)