八裂やつざき)” の例文
さあ、八裂やつざきにしろ、俺は辞せん。——牛に乗せて夜叉ヶ池に連れてけ。犠牲にえによって、降らせる雨なら、俺が竜神に談判してやる。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の方のような悪人は年をっても人指ひとさしゆび拇指おやゆびひねり殺すぐらいの事は心得てる、さアそれとも言訳があるか、忠義にった若者らは不忠不義の大罪人八裂やつざきにしても飽足あきたらんといきどおったのを
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……その犯人を突止めて八裂やつざきにでもしなければ、浮かばれない人間がイクラでもいるじゃないですか。八代子だって、モヨ子だって、又あの呉一郎だって……僕も連累まきぞえを喰っているんなら僕もです。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
三陣の兵も八裂やつざきに会うこと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五体は粉に砕けようと、八裂やつざきにされようと、恋しい人を血に染めて、燃えあこがるる魂は、かすかな蛍の光となっても、剣ヶ峰へ飛ばいでおこうか。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)