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さすが
聞て思ず
太息を
吐驚き入たる
大膽の
振舞其性根ならんには
首尾よく
成就なすべしと
偵の天忠も
密に
舌を
聞て
扨は事
成就せりと心中に悦びける是餘人成ば
城中の事
委くは知ざれば
疑しく
思べけれ共伊賀亮は城中の事を
能心得居る故今次右衞門のいふ處一々
理に當れば
偵の伊賀亮も心を
引たりける此時は天一坊は既に玄關迄來りしが向の
壁に懸し
笈摺を見て
偵大膽不敵の天一坊なれど
慄然と身の毛よだち思はず二足三足跡へ
退くを見て取越前守大音に寶澤待と聲を