トップ
>
倦怠
>
だる
ふりがな文庫
“
倦怠
(
だる
)” の例文
明けても暮れても雨と暑さ、そしてこの
倦怠
(
だる
)
さと一日一日灰色に
乾干
(
ひから
)
びてゆく心! こんな世界に、何が始まり得るというのだろう。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ある日、女は、森に来て、かの怪しな鳥が、
倦怠
(
だる
)
そうに大きな、光沢のある、柔らかな翼を、さも持てあまして、二羽が、互に
縺
(
もつ
)
れ合って巣を作っているのを見ていた。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると森本は
倦怠
(
だる
)
そうに浴槽の
側
(
ふち
)
に
両肱
(
りょうひじ
)
を置いてその上に額を
載
(
の
)
せながら
俯伏
(
うっぷし
)
になったまま
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と驚いたジョン少年は思わず声を筒抜かせたが、それより一層驚いたのは足を折られた大烏で、バタバタと枝から離れると、さも
倦怠
(
だる
)
そうに
羽摶
(
はばた
)
きながら、森を潜って舞って行く。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
倦怠
(
だる
)
そうに居直って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
そうして暑くなると、海に入って行こうといって、どこでも構わず
潮
(
しお
)
へ
漬
(
つか
)
りました。その
後
(
あと
)
をまた強い日で照り付けられるのですから、
身体
(
からだ
)
が
倦怠
(
だる
)
くてぐたぐたになりました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三沢は
先刻
(
さっき
)
から女の
倦怠
(
だる
)
そうな立居に気をつけていたので、御前もどこか悪いのかと聞いた。女は
淋
(
さび
)
しそうな笑いを見せて、暑いせいか食慾がちっとも進まないので困っていると答えた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
翌日
(
あくるひ
)
眼を覚した時は存外安静であった。彼は床の中で、風邪はもう
癒
(
なお
)
ったものと考えた。しかしいよいよ起きて顔を洗う段になると、何時もの冷水摩擦が退儀な位
身体
(
からだ
)
が
倦怠
(
だる
)
くなってきた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
倦
漢検準1級
部首:⼈
10画
怠
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“倦怠”で始まる語句
倦怠期
倦怠感
倦怠相
倦怠状