がり)” の例文
若い時から、諸所を漂泊さすらったはてに、その頃、やっと落着いて、川の裏小路に二階がりした小僧の叔母おばにあたる年寄としよりがある。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あらたに別荘を一軒借りるのも億劫おっくうだし、部屋がりが出ず入らず、しかるべき空座敷あきざしきがあるまいか、と私が此地こっちに居た処から、叔父へ相談があったというので、世話をするように言って来た。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)