侍立じりつ)” の例文
「龍潭の紙燭」は『碧巌集へきがんしゅう』にある話である。徳山がはじめて龍潭に参した時、侍立じりつするほどにいつか夜が更けてしまった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
そのふもとにやや大なる船まりいる。正面に丹左衛門尉基康たんざえもんのじょうもとやすその左右に数名の家来けらいやりをたてて侍立じりつす。その前に俊寛、康頼、成経ひざまずく。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
と、いわんばかりな顔して侍立じりつしている趙雲子龍ちょううんしりゅうがあり、またその部下三百人があって、かえって、玄徳の守備のほうが、物々しげに見え過ぎていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへ紺飛白こんがすりあわせ一枚を、素肌に纏うた呉一郎が、二人の廷丁ていていに腰縄を引かれて這入って来ると、三人の紳士は左右に道を開いて正木博士に侍立じりつした形になった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
で、関羽と張飛のふたりは、歩を移して、改めて玄徳の背後にきっ侍立じりつしていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張飛、関羽のふたりは、彼のうしろの壁ぎわに侍立じりつしていたが
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布は、悠々、後から姿をあらわして、彼の側に侍立じりつした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽のそばには、養子の関平が侍立じりつしていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)