伊弉諾いざなぎ)” の例文
神話的に見るも日本には伊弉諾いざなぎ伊弉冉いざなみの両みことがこの民族の始祖たる如く、基督キリスト教でいえばアダム、エブの二人が吾人ごじん人類の始祖である。
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
そこで尊は山上に伊弉諾いざなぎ伊弉冉いざなみの二神をお祭りになり、この狼を永く神使として附随することを許されたということである。
奥秩父 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
峰のいただき伊弉諾いざなぎみこと髪塚かみづかに立って、程近き間道かんどうを手に手をとって、国境くにざかいへ逃げてゆくふたりの姿を認めたのである。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何でも天地開闢かいびゃくころおい、伊弉諾いざなぎみこと黄最津平阪よもつひらさかやっつのいかずちしりぞけるため、桃のつぶてに打ったという、——その神代かみよの桃の実はこの木の枝になっていたのである。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
伊弉諾いざなぎ伊弉冉いざなみ二神が大八島を生まれたという話は政治的に日本国を統治せられたことだという。要するに神々の物語は悉く歴史的事実たる人間の行為であって、畢竟ひっきょう神は人であるというのである。
神代史の研究法 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
『本が伊弉諾いざなぎ伊弉冉いざなみの二柱から出た人間で御座りますからない』
伊弉諾いざなぎ伊弉冉いざなみの神
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
其処から少し左に離れてすすき村で建てた祠がある。両祠とも各其村の方に向けて建てるのだそうだ。祭神は伊弉諾いざなぎ伊弉冉尊いざなみのみこと
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)