之有これあ)” の例文
せんだって迄、半瓦の部屋の飯食い者、再度悪事のかど之有これあり候につき、雨ざらしざらし、七日七晩きゅうめいさせ置候おきそうろうものなり。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呼寄けるに家主いへぬし之助差添さしそへまかいで原田の來るを待居まちゐたり暫時しばらく有て原田大右衞門は自身番じしんばんへ來りければ家主巳之助這出はいいでて私し儀は三間町の家主巳之助と申者なるがなにか御用のすぢ之有これある由に付虎松を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あげて文右衞門に申しかけし百兩のきん實は己れが盜み取て藤助妹へ遣はしたる始末等殘らず白状に及びしかば是に於て久兵衞は口書こうしよ爪印つめいん申付られけり是即ち幕府ばくふ規則きそくにして假令たとへ如何樣に證據物等之有これあり其者の惡事あくじ判然はんぜんたりとも當人の口より白状に及ばぬ中は爪印つめいん申付られぬ事なりされ斯樣かやうねん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)