与謝野晶子よさのあきこ)” の例文
旧字:與謝野晶子
与謝野晶子よさのあきこさんがまだおおとり晶子といわれた頃、「やははだの熱き血潮にふれもみで」の一首に世を驚したのは千駄ヶ谷の新居ではなかった
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一人は外交官の奥さまに、一人は女優に——和歌をおこのみなさるうちでも、ことに与謝野晶子よさのあきこさんのを——
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
サンプルをお目にかければ、床次竹二郎とこなみたけじろう菊池寛きくちかん与謝野晶子よさのあきこ山室軍平やまむろぐんぺい賀川豊彦かがわとよひこ喜多村緑郎きたむらろくろう中村吉右衛門なかむらきちえもん堺利彦さかいとしひこ丸山鶴吉まるやまつるきち、ざっとこんな工合である。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
与謝野晶子よさのあきこ女史の『新訳源氏物語』の類を通読された人でも感じられた事と思うが、『源氏物語』のあの散文描写には、『伊勢物語』の和歌などにも見えることであるが
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
まだもっと可笑おかしいのはあたしのうちの二階へあがると、最勝寺さいしょうじの塔が見えるんでしょう。そのまた塔の霞の中に九輪くりんだけ光らせているところは与謝野晶子よさのあきこでも歌いそうなのよ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
有名な与謝野晶子よさのあきこの大仏の歌にも、恋心が無いとはたれが言い切れるでしょう。思うて此処ここに至れば、古今仏像を恋した例の、必ずしもすくなくないことがおわかりだろうと思います
福田ふくだという女の社会主義者の事や、歌人として知られた与謝野晶子よさのあきこ女史の事などの名が現われているのを葉子は注意した。しかし今の葉子にはそれが不思議に自分とはかけ離れた事のように見えた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
自分の最愛な細君へ警戒をしたという莫迦ばからしさとおなじで、女流のなかでさすがに立派な意見だとうなずかれたのは、与謝野晶子よさのあきこ女史と平塚らいてう氏であった。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)