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不見転
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みずてん
ふりがな文庫
“
不見転
(
みずてん
)” の例文
不見転
(
みずてん
)
以外は帰ってしまうが、大阪は、時として夜が更けると、雑魚寝があるし、席貸へ行って夜明かしもするし、——つまり、飽きる所まで
大阪を歩く
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
まして、
繻子
(
しゅす
)
の襟も、
前垂
(
まえだれ
)
も、無体平生から気に入らない、およそ粋というものを、男は
掏摸
(
すり
)
、女は
不見転
(
みずてん
)
と心得てる、
鯰坊主
(
なまずぼうず
)
の青くげだ、ねえ竹永さん。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいえ、そんなことではありません。商売人の
不見転
(
みずてん
)
なんかに手出しをなさるよりは、はっきりこれこれときまってる方が、まだよいと思っていますわ。」
人間繁栄
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「武士は食わねど
高楊枝
(
たかようじ
)
」の心が、やがて江戸者の「
宵越
(
よいごし
)
の
銭
(
ぜに
)
を持たぬ」誇りとなり、更にまた「
蹴
(
け
)
ころ」「
不見転
(
みずてん
)
」を
卑
(
いや
)
しむ
凛乎
(
りんこ
)
たる意気となったのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
こっそり一人で
不見転
(
みずてん
)
買いでもする方が結句
物費
(
ものい
)
りが少く世間の体裁もよいと云う流義。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
心得ずに購い来ったというものの、手当り次第に
不見転
(
みずてん
)
で買って来たのではありません。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それまでは良かったが「
不見転
(
みずてん
)
」というと仰向けに寝て、腹をだして妙な格好をする。
犬
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
「それあ
何
(
ど
)
うしたつて、こんな処にゐるものには、悪い病気がありますからね、
不見転
(
みずてん
)
なんか買ふよりか安心は安心だけれど……。」彼女は幾分
脅
(
おど
)
かし気味で、そんな事を話したが
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
宜
(
い
)
いよ/\。転びぐらい常識でも分る。
不見転
(
みずてん
)
という言葉もあるじゃないか?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「所蔵品目録だつて」平岡氏は出て来る骨董屋の顔をじろりと横目で
睨
(
にら
)
みながら、
巻舌
(
まきした
)
で言つた。「江戸つ子がそんな目録つきで品物の取引なぞして溜るもんかい。欲しかつたら
不見転
(
みずてん
)
の事さ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
まくつて、やい
不見転
(
みずてん
)
芸者! なんて怒鳴るんですもの。
熱海へ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「困るなあ、どうも、この若松の者は、柄が悪くて、助平で、油断も隙もならんよ。玉井君、光丸は僕のれっきとした女房ですよ。
不見転
(
みずてん
)
芸者と、他人の細君との見さかいくらいはつけて貰いたいもんだねえ。君は、一体、光丸とどんな関係なんだ?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
転
常用漢字
小3
部首:⾞
11画
“不見転”で始まる語句
不見転式