下話したばなし)” の例文
手を焼いた前例があるし、こんどは、頼朝のいいつけも、厳重であったから、清経は、この下話したばなしには、充分周到しゅうとうな要意を胸に持って、彼女を説いた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
修「今直ぐと云う訳ではない、貴方も旅の事だからいずれ又改めてわしがお話に出るで、是は只ほんの下話したばなしだけで」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日は家の者はみんな御機嫌が悪い。乃公の顔を見ると白い眼をする。お島の談話はなしによると、乃公のお蔭で大略あらまし出来かけていた下話したばなし全然まるきり毀れて了ったのだそうだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
是れから物頭ものがしらがまいりまして、段々下話したばなしをいたし、權六は着慣れもいたさん麻上下あさがみしもを着て、紋附とは云え木綿もので、差図さしずに任せお次までまかで控えて居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「自分からも、昨日、ずいぶん下話したばなしはいたしておいたよ。しかし、容易に、うんとは仰っしゃらない」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤「全くは是から訴えようと内々ない/\下話したばなしもございましたので、処を盗み取られましたんで」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)