下段げだん)” の例文
圖中下段げだん右より二つ目にゑがきたるものは裸体土偶らたいどぐうの一例にして出所は常陸椎塚貝塚、所藏主しよぞうぬしは理科大學人類學じんるいがく教室なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
前には中空を飛ぶ鳥のような姿勢であったが、今度は形を下段げだんに沈めて、槍を一尺ほどにつめて走るのが、さながら猛獣の進むが如き勢いであります。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いよいよ要心ようじんに要心をくわえながら、下段げだん戒刀かいとうをきわめてしぜんに、頭のうえへ持っていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大坂御城代ごじやうだい堀田相摸守殿の屋敷へ天一坊をしやうし書院上段の下段げだんに御城代相摸守殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下段げだんに身をしずめている米友。風雲甚だ急なる時、武士たるものが、存外き込まないで
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
身体裝飾しんたいそうしよくとして用ゐられしならんとおもはるる土製品どせいひんは極めてまれにして、好例こうれいとして示すべき物は余の手近てぢかには唯一個有るのみなり。(圖中づちう下段げだん右のはしを見よ)此品は大森貝塚おほもりかいづかより發見されたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
もとより下段げだんにもならず、側構わきがまえでもなし、全く格に無いところのダラリとした下げっ放しなのですから、刀をさげていないと見ることが、正しかったくらいのものであります。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)