七個ななつ)” の例文
とにわかにひっそりとなり、またもや月光を刎ね飛ばし、木を揺るがせ、木立を揺るがせ、黒々とした人の影が、七個ななつ散るのが見て取れた。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だん/\進んで行くと、突当りの木槿垣の下に、山の端はなれた許りの大満月位な、シツポリと露を帯びた雪白の玉菜キヤベーヂが、六個むつ七個ななつ並んで居た。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一杯の日当ひあたりで、いきなり土の上へ白木しらき卓子テエブルを一脚えた、その上には大土瓶おおどびんが一個、茶呑茶碗ちゃのみぢゃわん七個ななつ八個やつ
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
犬の首ッ玉の耳の背後うしろよりも少し下った処……八釜やかましく云うと七個ななつ在る頸骨けいこつの上から三つ目ぐらいの処をチョイトつまむと、ドンナ猛犬でも頭がジインとなって、この人にはトテモかなわない。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
午後から空模様が変って来たので、為吉は水夫一同と一緒に七個ななつある大倉口メイン・ハッチの押さえ棒へくさびを打って廻った。一度で調子好く打込み得るのは為吉だけだった。感心し乍ら皆色々と彼の経験を尋ねた。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)