丁場ちょうば)” の例文
やがて葉子は車の丁場ちょうばで、園田のところへ使いを頼むつもりで、出て行ったあとで、庸三はあらゆる理由を抜きにしても
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
つぎの停車駅ていしゃえきまでは、やく一時間もかかる。全線ぜんせんで一ばん長い丁場ちょうばだった。日記をつけてしまうと、することもなくなったので、まどから暗い外をすかして見た。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
値段をきめて、深谷ふかやまで二里二十七町の丁場ちょうばを、ともかく馬に乗ることにきめました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
江戸から二里で千住せんじゅ、また二里で草加そうか、同じく二里の丁場ちょうばで、越ヶ谷、粕壁かすかべ——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
嶮岨の丁場ちょうば日々折り返し艱難かんなん辛勤仕り、冬春の雪道、凍り道等の節は、荷物仕分しわけに候わでは持ちこたえがたく、病み馬痩せ馬等も多くでき、余儀なく仕替馬しかえうまつかまつり候わでは相勤めがたく
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
×「あんまおそくなるから、丁場ちょうばの仕事がよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「へえ、亀山から一里半の丁場ちょうばでござい」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)