一舟いっしゅう)” の例文
うまこくを期して、一舟いっしゅううかべ、敵味方の見る中で腹切らん。そのときをもって、和議を結ばん、毛利家を万代の安きにおすえ下されよ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸臣おおいなげきてようやくに去り、帝は鬼門に至らせたもう。従う者実に九人なり。至れば一舟いっしゅうの岸にるあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
天正てんしょう十年、秀吉が中国の高松城を水攻めにした折も、孤城五千の部下の生命いのちに代って、濁水だくすいの湖心に一舟いっしゅううかべ、両軍の見まもる中で切腹した清水長左衛門宗治むねはる
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元康は、甚七が多年、諸国を経巡へめぐって得た知識を、わずか一舟いっしゅうの席で半刻の間に得てしまった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一年ひととせ、藤原純友が、伊予ノ国へ帰るというので、友人ども大勢が、一舟いっしゅうさおさし、江口の遊里で、盛大な壮行の宴をひらいて、夜もすがら大乱痴気らんちきをやって別れたことがある。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)