一猪口ひとちょこ)” の例文
まだよくの言えば、おんとお孝と対向さしむかいで、一猪口ひとちょこる処をですだ、敷居の外からでもい、見ていたいものですだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それに女連おんなづれ雑沓ざっとうの中で間違でも有っては成らぬ、ことにお隅を連れて行くは心配でもあり役柄をも考えたから、大生郷の天神前の宇治の里という料理屋へあがり、此処こゝの奥で一猪口ひとちょこっていると
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
或時村の友達に誘われまして水街道へ参って、麹屋こうじやといううち一猪口ひとちょこやりました、其の時、酌に出た婦人が名をおすみと申しまして、とし廿歳はたちですが誠に人柄のい大人しやかの婦人でございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)