くじ)” の例文
舎監の赤い髭を憶出した。食堂の麦飯のにほひを憶出した。よく阿弥陀あみだくじに当つて、買ひに行つた門前の菓子屋の婆さんの顔を憶出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「残っているものが少ないから当りくじが多い次第わけさ。しかし我輩は死ぬのを恐れてこんなことを言うのじゃない」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼等かれら丁度ちやうどくじくやうに屹度きつとひとつはあたはずのどつぺを悉皆みんなこゝろあてにつかんでくのである。一ごと失望しつばう滿足まんぞくとが悉皆みんなかほにそれからそれとうつつてく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
アーンチロコスのくじにして、ユウメーロスのそれは次ぎ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
社長はとこに懸けて見て、『何方どっちをくれる?』と訊くから、『好い方を家に残したい』と私も今更惜しい。『それじゃ不公平だ。くじにしよう』と、君、実にひどい男があったものじゃないか?
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
五人車臺に身を乘せてくじを兜の中に入る。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
かくして二人青銅の兜にくじを投げ入れて
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)