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をりかさ
退り人違ひにも候べし此長庵に於て御
召捕に
相成覺え更になしと
大膽にも
言拔んとするを
捕方の人々聲をかけ覺えの
有無は云ふに及ばず
尋常に
繩に掛れと大勢
折重なりて取押へ遂に繩を
前伏に、
男の
膝へ
背が
偃つて、
弱腰を
折重ねた。
七八人
投付たれども
漸々折重なりて
捕押へ
自身番へ上られたり
何んでも
大盜人にて
手下が百人ばかりもありと云
咄しなり然れども
表向は一文
貰ひの
袖乞をして居たと云などと
虚にも理を