“やッぱり”の漢字の書き方と例文
語句割合
矢張100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其後そのご幾年いくねんって再び之を越えんとした時にも矢張やッぱりおそろしかったが、其時は酒の力をりて、半狂気はんきちがいになって、漸く此おそろしい線を踏越した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それにしては話声もせずかがりはぜる音も聞えぬのは何故であろう? いや、矢張やッぱりおれが弱っているから何も聞えぬので、其実味方は此処に居るに相違ない。
まだ御札のほかに萩原さまのふところに入れていらっしゃるおまもりは、海音如来かいおんにょらい様という有難い御守おまもりですから、それが有っては矢張やッぱりお側へまいる事が出来ませんから
私も矢張やッぱり其気で便たよって来たのだが、便たよって来てみれば事毎に案外で、ああ、何だか妙な気持ちがする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と、眼をけば、例の山査子さんざしに例の空、ただ白昼というだけの違い。おお、隣の人。ほい、敵の死骸だ! 何という大男! 待てよ、見覚があるぞ。矢張やッぱりの男だ……
これは私ばかりでない、私の友人は大抵皆然うであったから、皆此頃からポツポツ所謂いわゆる「遊び」を始めた。私も若し学資に余裕が有ったら、矢張やッぱり「遊」んだかも知れん。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)