“めんぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
面貌59.5%
麺棒35.1%
面当2.7%
面㒵2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月は西に白けて、大空は黎明れいめいの気を見せて来た。そこに天地が口を開けたやうな一種いふべからざる神厳と空虚の面貌めんぼうの寸時がある。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
親分と唖の巳代吉の間はいよ/\睨合にらみあいの姿となった。或日巳代吉は手頃てごろぼうを押取って親分に打ってかゝった。親分も麺棒めんぼうをもって渡り合った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
法水がその面当めんぼうを外すと、そこに易介の凄惨な死相が現われた。はたせるかな、法水の非凡な透視は適中していたのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
面部から咽喉にかけての所は、咽輪のどわ黒漆くろぬりの猛悪な相をした面当めんぼうで隠されてあった。そして、背には、軍配日月じつげつの中央に南無日輪摩利支天なむにちりんまりしてんしたためた母衣ほろを負い、その脇に竜虎の旗差物はたさしものが挾んであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ですが、面㒵めんぼうを能楽の面に型どっているところに、十分能楽味を保たしたわたくしの心持が表われているつもりです。
「草紙洗」を描いて (新字新仮名) / 上村松園(著)