面当めんぼう)” の例文
旧字:面當
法水がその面当めんぼうを外すと、そこに易介の凄惨な死相が現われた。はたせるかな、法水の非凡な透視は適中していたのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
面部から咽喉にかけての所は、咽輪のどわ黒漆くろぬりの猛悪な相をした面当めんぼうで隠されてあった。そして、背には、軍配日月じつげつの中央に南無日輪摩利支天なむにちりんまりしてんしたためた母衣ほろを負い、その脇に竜虎の旗差物はたさしものが挾んであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)