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めしとれ
懸けければ此方は
彌々愕然し急に
顏色蒼醒後の方を振返るに
夫召捕と云間も有ず數十人の捕手
襖の
影より走り出
難無高手小手に
繩を
入させ給ふべき
這は全く徳太郎君の御名を
騙る
曲者それ
召捕と
烈しき聲に與力ども心得たりと左右より
組付難なく
繩を
ソレ怪しき
曲者召捕と聲の下より手先の者三人
破落々々と立懸り上意々々と云ながら取て
押へ忽ち
繩を
見留夫
捕縛と云ふより早く手先兩人づか/\と
走り
寄り上意と聲かけ文右衞門并びに久兵衞とも
忽ち高手小手に
縛め兩人ながら
自身番へ引行けるに是を