-
トップ
>
-
むらさ
染出したる
萌黄緞子の
油箪を掛て二棹宰領四人づつ次に
黒塗に
金紋付
紫きの
化粧紐掛たる先箱二ツ徒士十人次に黒天鵞絨に白く
御紋を
押立玄關には
紫き縮緬の幕を
張威儀嚴重に構へたり此時下の本陣には
播州姫路の城主酒井雅樂頭
殿歸國の折柄にて御旅宿なりしが
雅樂頭殿上の本陣に天一坊旅宿の由を
通じければ山内先生の御出とならば自身に
出迎べしと何か
下心のある天忠が
出來る
行粧は
徒士二人を先立自身は
紫きの
法衣に
古金襴の
袈裟を
掛頭には
帽子を戴き右の手に
中啓を