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まツくら
愛ちやんは
些とも
怪我をしませんでした、
一寸跳び
上つて
上を
見ましたが
頭の
上は
眞暗でした。
愛ちやんの
前には、も
一つ
長い
路があつて、
白兎がまだ
急いで
駈けて
行くのが
見えました。
最初愛ちやんは
下を
見、それから
今迄の
事を
知らうとしましたが、
眞暗で
何一つ
見えませんでした。
乃で
愛ちやんは
井戸の四
方を
見て、
其處が
蠅帳や
棚で一ぱいになつてることを
知りました。