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ふみそろ
足駄の
緒が
少し
弛んで
居るので、
足許を
氣にして、
踏揃へて、
袖の
下へ
風呂敷を
入れて、
胸をおさへて、
顏だけ
振向けて
見て
居るので。
大方女の
身でそんなもの
見るのが
氣恥かしいのであらう。
見た
体は、
褪せた
尻切の茶の
筒袖を着て、袖を合わせて、手を
拱き、紺の
脚絆穿、
草鞋掛の細い脚を、車の裏へ、
蹈揃えて、
衝と伸ばした、
抜衣紋に
手拭を巻いたので、襟も隠れて見分けは附かぬ。