“びんぐし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鬢櫛78.6%
鬂櫛21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
割合すいていて、毛糸編の羽織みたいなものを着て、くずれた束髪にセルロイドの鬢櫛びんぐしをさした酌婦上りらしい女が口をだらりとあけて三白眼をしながら懐手で膝を組んでいる。
乳房 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あまつさえお六ぐしを造る店の前では、がらにもなく挿櫛さしぐし鬢櫛びんぐしを手にとって、仔細にその細工のあとを眺め、ふところから日誌をだして二、三種の形を写した上、値だんも聞かずに
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれこゑ此町このまちにはかせぬがくしとふでやの女房にようぼうしたうちしてへば、店先みせさきこしをかけて往來ゆきゝながめしがへりの美登利みどり、はらりとさが前髮まへがみ黄楊つげ鬂櫛びんぐしにちやつときあげて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)