“ひばし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
火箸97.5%
鉄火箸0.8%
檜橋0.8%
火筯0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おや……」と夫人は血相変え、火箸ひばしを片手に握りしまま、と立上って矢島を睨附ねめつけ、「ヌ——」とばかり、激怒して口が利けず。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ハイ。シッカリと刺しておいたつもりでしたが、今朝けさ見ますとその鉄火箸ひばしは、この敷居の蔭に落ちておりました」
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると草川巡査は、その継嵌つぎはめの板片の中の一枚を外から何の苦もなくパックリと引離して、そこから片手を突込んで鉄火箸ひばしを引き抜いて、掛金をはずした。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
櫟津いちひづは大和の添上そへかみ郡だといふから、櫟津いちひづ檜橋ひばしとつづけると、神田の龍閑橋りうかんばしとか芝の土橋どばしとかいふふうに方向まで示してゐるので、その土地にくはしくもないくせに、大和生れの娘の顏を見て
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
さしなべに湯沸かせ子ども櫟津いちひづ檜橋ひばしより來むきつむさむ
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
炉の向い側にはしとね三枚をかさねて敷いて、山椒大夫がすわっている。大夫の赤顔が、座の右左にいてある炬火たてあかしを照り反して、燃えるようである。三郎は炭火の中から、赤く焼けている火筯ひばしを抜き出す。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)