“ばんけい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
万頃38.5%
晩景23.1%
磐渓15.4%
万計7.7%
盤珪7.7%
萬頃7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何者か因果の波を一たび起してより、万頃ばんけいの乱れは永劫えいごうを極めて尽きざるを、渦く中にかしらをも、手をも、足をもさらわれて、行くわれのはては知らず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おだやかに死なれる事が何故出来なかったでしょうか? 何故其生の晩景ばんけいになって
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
『鉄心遺稿』に「至日しじつ邸舎小集、磐渓ばんけい嶺南れいなん畏堂いどう可医かい、枕山、湖山、南園、秋航、雲如、豹隠ひょういん蘆洲ろしゅう瓦雞がけいノ諸子ト同ジク賦ス。(略)コノ日歓甚シ。痛飲シテ兵ヲ談ズ。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「情けないことかな、それ英雄とは、大志を抱き、万計ばんけいの妙をぞうし、行ってひるまず、時潮におくれず、宇宙の気宇、天地の理を体得して、万民の指揮にのぞむものでなければならん」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盤珪ばんけい禅師は「不生」の一語で万機に接したというが、「不生」は本来のもの、生れるにつれて備わっているもの、その元に居れと教えるのである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
人をして山に對してなつかしいやはらかな感じをもたしむる所以で、それが加之しかも清らかに澄みきつた萬頃ばんけいの水の上にノッシリと臨んでゐるところは、水晶盤上に緑玉をうづたかうすとでもいひたい氣がする。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)