“ねんず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
念誦88.9%
念珠11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「たとえこうおなりになっても、健康が回復すればそれを幸福にお思いになって、できれば念誦ねんずだけでもよくお唱えしているようになさい」
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そこに念誦ねんずしている右門の姿を、家来達は度々見かけた。右門は、自分のしている事は、兄の罪ほろぼしであり、殺伐な一門の後生ごしょうの為であると信じていた。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
念珠ねんずを揉んで、一心不乱に何やらじゅを唱えているほか、その広い床はがらんとして、かすかに燈明のまたたきが、おぼろに二つの影にゆらいでいるだけだった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金襴きんらん袈裟けさ、水晶の念珠ねんず、それから白い双の眉毛——一目見ただけでも、あめした功徳無量くどくむりょうの名を轟かせた、横川よかわ僧都そうずだと申す事は疑おうようもございません。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
法衣ころものたもとを背に結びあげ、念珠ねんずを押しもんで、今や天狗がのりうつッたように、読経どきょうのどらし、印を切って、何やら声あららかに、呪り殺しをうける俗の男を叱咤していた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
横川よかわの僧都は急に印を解いて、水晶の念珠ねんずを振りながら
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)