“ねんじゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
念珠57.1%
念誦42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもわず足をみとどめて、ギョロッと両眼をふり向けたのは、蛮衣ばんいに十字の念珠ねんじゅくびにかけた怪人かいじん、まさしく、これぞ、正真正銘しょうしんしょうめい和田呂宋兵衛わだるそんべえその者だ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆるらかに幾尺の水晶の念珠ねんじゅを引くときは、ムルデの河もしばし流をとどむべく、たちまち迫りて刀槍とうそうひとしく鳴るときは、むかし行旅こうりょおびやかししこの城の遠祖とおつおや百年ももとせの夢を破られやせむ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そんな人達が念誦ねんじゅしながら加持してくれているのを、ああまらないと思って聞き入りながら、年少の折、よもやこんな事が自分の身に起ろうなどとは夢にも思わなかったので
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
蛇は首をもたげて生贄いけにえに進み寄って来るので、汪は眼をとじて、いよいよ一心に念誦ねんじゅしていると、蛇は一丈ほどの前まで進んで来ながら、何物にかさえぎられるように逡巡しりごみした。