“にはかに”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニハカニ
語句割合
遽然66.7%
遽33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遽然(にはかに)、蓮華寺の住職が説教の座へ上つたので、二人はそれぎり口を噤んで了つた。人々はいづれも座(すわ)り直したり、容(かたち)を改めたりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
不思議(ふしぎ)や黄雲(くわううん)遽然(にはかに)蒸(む)して眼前(がんぜん)に聚(あつま)りぬ、主從(しゆうじう)之(これ)に打(うち)
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
遽然(にはかに)丑松は黙つて了つた。丁度、喪心した人のやうに成つた。丁度、身体中の機関(だうぐ)が一時に動作(はたらき)を止めて、斯うして生きて居ることすら忘れたかのやうであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『左様(さう)? 勝野君も?』と丑松は徴笑み乍ら答へた。遽然(にはかに)、心の底から閃めいたやうに、憎悪(にくしみ)の表情が丑松の顔に上つた。尤(もつと)も直に其は消えて隠れて了つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
また大雨遽(にはかに)来り海面暗々たり。しかれども風なし。遂三里豊前小倉の三門(みかど)に著船す。余船主に乞て唱歌を書せしむ。黄帝といふ曲なり。小倉伊賀屋平兵衛の家に宿す。主人一書巻を展覧せしむ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)