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たびあきうど
但往交ふ
人々は、
皆名所繪の
風情があつて、
中には
塒に
立迷ふ
旅商人の
状も
見えた。
少い
世捨人な、これ、坊さまも
沢山あるではないかいの、まだ/\、死んだ者に
信女や、
大姉居士なぞいうて、名をつける
習でござらうが、何で又、其の
旅商人に
婦人が
懸想したことを
五六本
樹立のあるのを目当に、一軒家へ
辿り着いて、台所口から、用を聞きながら、旅に
難渋の次第を話して、一晩泊めて
貰ふとね、快く宿をしてくれて、
何うして
何うして行暮れた
旅商人如きを