-
トップ
>
-
せんかたな
三兩出て
博奕友達の
好みだと言て
平に頼む故
己も
詮方無く
燒て仕舞て
骨は利根川へ流したに相違は無いぜ
是サ段右衞門今此彌十に顏を
機關室に
働く
事も
能はず、
詮方無きまゝ、
立つて
見つ、
居て
見つ、
艦首から
縹渺たる
太洋の
波濤を
眺めたり、「ブルワーク」の
邊から
縱帆架に
飜る
帝國軍艦旗を
仰いで
見たり、
機關砲を
覗いて
見たり
長き
髯を
推揉みつつ鴫沢は
為方無さに
苦笑して