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すそみじか
と云いながらずっと出た男の
姿を見ると、
紋羽の綿頭巾を
被り、
裾短な
筒袖を
着し、
白木の
二重廻りの
三尺を締め、
盲縞の股引腹掛と云う
風体。
山間僻地のここらにしてもちと
酷過ぎる
鍵裂だらけの
古布子の、しかもお
坊さんご成人と云いたいように
裾短で
裄短で
汚れ
腐ったのを
素肌に着て、何だか正体の知れぬ
丸木の
汚れた手拭で
頬冠りをして、
大人のような
藍の細かい
縞物の
筒袖単衣の
裙短なのの汚れかえっているのを着て、細い
手脚の
渋紙色なのを貧相にムキ出して、見すぼらしく
蹲んでいるのであった。