“しゃくどう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
赤銅90.3%
烏金9.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、その日に焼けて赤銅しゃくどうのように光っている頬を、大粒の涙がほろほろと流れ落ちた。二人は涙のうちに、しばらくは言葉がなかった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ふと見ると、赤銅しゃくどうのような色をした光芒ひかりの無い大きな月が、おほりの松の上に音も無く昇っていた。その色、そのかたち、その姿がいかにもわびしい。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
床なる花瓶の花もしぼまず、西向の欞子れんじもとなりし机の上も片づきて、すずりふたちりもおかず、座蒲団ざぶとんを前に敷き、かたわらなる桐火桶きりひおけ烏金しゃくどう火箸ひばしを添えて、と見ればなかに炭火もけつ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
地金は多くは銀だが、青銅も、朧銀しぶいちも、烏金しゃくどうも……真黒まっくろな瓜も面白い。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)