“ざぞう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
坐像50.0%
座像50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒廃したほの暗い金堂の須弥壇しゅみだん上に、結跏趺坐けっかふざする堂々八尺四寸の金銅坐像ざぞうであるが、私は何よりもまずその艶々つやつやした深い光沢に驚く。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
彼らのうずくまったすぐ前には、藪畳が三枚ほど立てかけてあって、その奥に、る日本舞踊の道具に使われる、張り物の大きなお釈迦しゃかさまの坐像ざぞうが、大入道のようにボンヤリと見えていた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
し類似を求めるならば、関東随一の白鳳仏といわるる深大寺じんだいじ(東京都下)の釈迦しゃか如来坐像ざぞうに近いであろう。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
金堂の内部には本尊の薬師如来坐像ざぞうを中心に、弥勒みろく吉祥天きっしょうてん毘沙門びしゃもん、地蔵の仏体が並んでいるが、四とも平安時代の木造である。装飾らしいものは何もない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
七二 栃内とちない村の字琴畑ことばたは深山の沢にあり。家の数は五軒ばかり、小烏瀬こがらせ川の支流の水上みなかみなり。これより栃内の民居まで二里をへだつ。琴畑の入口に塚あり。塚の上には木の座像ざぞうあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは見台をわきにした座像ざぞうで、三蓋菱さんがいびし羽織はおりの紋や、簡素な線があらわした着物の襞襀ひだにも特色があったが、ことに、その左の手をくつろいだ形に置き、右の手で白扇をついたひざこそは先師のものだ
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)