“さんく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
惨苦57.1%
三句14.3%
三躯14.3%
酸苦14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幼い時から、あらゆる人生の惨苦さんくと戦って来た一人の女性が、労働力の最後の残渣ざんさいまで売り尽して、愈々いよいよ最後に売るべからざる貞操まで売って食いつないで来たのだろう。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
もちろん、かういふ音數おんすうおほ片歌かたうたも、三句さんくから出來できてゐるのだといふことをわすれて、五句ごくになつたところからも、短歌たんかは、出來できるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
片歌かたうたは、三句さんくから出來できてゐて、一番いちばんめの五音ごおん二番にばんめの七音しちおん第三だいさんがまた七音しちおん、といふふうになつてゐるのが普通ふつうで、その音數おんすうには、多少たしよう變化へんかがあります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
でそれをモデルにして三躯さんくの観音をつくり、一つは本国へ持ち帰った。あとの一つは内裡だいりに安置したが今は法華滅罪寺にある。もう一つは施眼寺せがんじに安置せられている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ふたり枕をならべてどっと病みふす酸苦さんく。伜のひとつ手ではとうてい七人の口をすごしかねる。日々のたつきも立ちませぬところから、さまざま奔走のすえ、ようやくありついたお飼場下飼人の役。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)