“がまぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蟇口77.3%
蝦蟇口19.9%
蟆口0.7%
蝦蟆口0.7%
蝦蟇0.7%
鰐口0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへ十八九に見える姿の好い女給が勘定書かんじょうがきを持って来た。彼はインバの兜衣かくしから蟇口がまぐちを出してその金を払うとともにすぐ腰をあげた。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蝙蝠傘を少し内廻転をさせたひざの間に寄せ掛けて、帯の間から出して持っていた、小さい蝦蟇口がまぐちの中を、うなじかがめてのぞき込んだ。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
といひながら皆の見てゐる前で蟆口がまぐちから五円札の何枚かを取り出して見せてゐたが、急に顔色をかへて、慌てゝ蟆口から根こそぎ中のものを取り出して
(新字旧仮名) / 有島武郎(著)
それでも勘定だけはしておかうと思つて、女中を呼んで払ひのために懐中物を出しにかゝつた時、勃凸も気がついたやうに蟆口がまぐちを取り出した。Iが金がないのにしやれたまねをするとからかつた。
(新字旧仮名) / 有島武郎(著)
折れたか、と吃驚びっくりして、拾い直して、そっと机に乗せた時、いささか、蝦蟆口がまぐちの、これで復讎ふくしゅうが出来たらしく、おおいに男性の意気を発して
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「宜しい」とフリント君は蝦蟇がまぐちを探した。「私が出しときましょう」
夜汽車 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
お庄が切符を買うと、芳太郎も鰐口がまぐちから金を出して同じように四ツ谷行きを買った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)