“かきつばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カキツバタ
語句割合
杜若70.0%
燕子花30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへいくとこの文楽師匠は赤でなし、青でなし、巧緻に両者を混ぜ合わせた菖蒲あやめ鳶尾いちはつ草、杜若かきつばた——クッキリとあでに美しい紫といえよう。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
戸毎に宿舎割当の氏名が貼り出されているところを、やっと探し当てて、お茂登は、前の小溝に杜若かきつばたが濃い紫に咲いている一軒の格子をあけた。
その年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
風情ふぜい一段いちだんで、みぎはには、所々ところ/″\たけひく燕子花かきつばたの、むらさきはなまじつて、あち此方こちまたりんづゝ、言交いひかはしたやうに、しろはなまじつてく……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
濁江の水に材木がひたしてある。浮ぶともなく浮んでいるその材木の陰に、燕子花かきつばたの花が咲いている、というのであろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)