“おんしゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怨讐30.0%
温習20.0%
恩讐20.0%
怨執10.0%
恩讎10.0%
恩酬10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わしは勢いに巻き込まれたのだという気がする。他人の欲望——というよりも、むしろ無始むし以来結ぼれて解けない人間の怨讐おんしゅうの大うずのなかに巻き込まれたのだという気がする。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
薄き給金にてつながれ、昼の温習おんしゅう、夜の舞台ときびしく使われ、芝居の化粧部屋にりてこそ紅粉をもよそおい、美しき衣をもまとえ、場外にてはひとり身の衣食も足らずがちなれば
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今は、恩讐おんしゅうを越えた、晴れやかな表情で、妓王は仏の手をとって中へ導き入れた。
「田万里の件——かの出羽への怨執おんしゅうは、よも御忘却ではあるまいな。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
僧徒らしい気分などは微塵みじんもなく、ただ非凡なる怪力と強烈なる感情、極端に清浄を愛してみだりに俗衆の近づくを憎み、ことに隠形自在にして恩讎おんしゅうともに常人の意表に出でた故に
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それに引き換え、勘次の父は村会を圧する程隆盛になって来た。そこで勘次の父は秋三の家が没落して他人手に渡ろうとした時、復讐と恩酬おんしゅうとを籠めたあらゆる意味において、「今だ!」と思った。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)