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うをの
一年我が
住む所の
在にて
魚野川のほとりに住む人、井を
掘しに
鮞の腥なるをほりいだせし事ありしと、
友人がかたりき。
鮞の
生化するを
漁師のことばにはやけるともみよけるともいふ。
我が
隣駅関といふ
宿につゞきて
関山といふ村あり、此村より
魚野川を
渡るべき
橋あり。流れ
急なれば
僅の
出水にも橋をながすゆゑ、
仮に
造りたる橋なれど川
広ければはしもみじかからず。
子を
産つける所はかれが心にありて
一定ならずといへども、
千曲と
魚野の
両河の
合する川口といふより
沙に小石のまじるゆゑ、これよりをおのれが
産所とし、
流れの
絶急からぬ清き
流水の所に
産也。