“うらが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
浦賀60.0%
末枯23.3%
裏書6.7%
杪枯3.3%
裏掻3.3%
裏涸3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東海道浦賀うらが宿しゅく久里くりはまの沖合いに、黒船のおびただしく現われたといううわさが伝わって来たのも、村ではこの雨乞いの最中である。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
むしろ末枯うらがれそめた葉蔭に露わに姿を現わしている瓜や南瓜の方が多く心にとまるようになるのであります。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
そう思って眺めると、彼女を伝研でんけんの病室に送る一行の物々しさは、右の推定すいてい裏書うらがきするに充分だった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すなわち社内へ進入すすみいッて、左手の方の杪枯うらがれた桜の樹の植込みの間へ這入ッて、両手を背後に合わせながら、顔をしかめて其処此処そこここ徘徊うろつき出した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
三枝、五枝、裏掻うらがいてその繁茂しげりが透くに連れて、段々、欄干の女の胸が出て、帯が出て、寝着ねまき姿が見えて、頬が見えて、鼻筋の通る、瞳が澄んで、眉が、はっきりとなる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かく打ち謝罪わぶるときしも、幼児は夢を破りて、睡眠のうちに忘れたる、えと寒さとを思い出し、あと泣き出だす声も疲労のために裏涸うらがれたり。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)