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末枯
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うらが
ふりがな文庫
“
末枯
(
うらが
)” の例文
暫くこうした幻影が幻影を見ている間を、窓の外では、晩秋の光線が徐徐に日暮れに傾きつつ、樹樹の
末枯
(
うらが
)
れた葉の影を深めてゆく。
旅愁
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
むしろ
末枯
(
うらが
)
れそめた葉蔭に露わに姿を現わしている瓜や南瓜の方が多く心にとまるようになるのであります。
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
燠に
化
(
な
)
つた
榾
(
ほだ
)
の呟き。——わたしの
脊椎
(
せきつゐ
)
を
外
(
はづ
)
しとつてする「
洗骨式
(
せんこつしき
)
」を、……でなければ、肉体の髄を
焙
(
や
)
きつくしてする「
風葬祭
(
ふうさうさい
)
」を、……そんな
末枯
(
うらが
)
れた夢見もするわな。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
そこは丁度主人の寢部屋のあたりで、少しばかりの空地と嚴重な
塀
(
へい
)
をへだてて、その塀の外、
末枯
(
うらが
)
れた僅かばかりの雜草を染めて、血潮のこぼれてゐるのも淺ましい感じです。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道の真中は乾いているが、両側の田についている所は、露にしとしとに
濡
(
ぬ
)
れて、いろいろの草が花を開いてる。タウコギは
末枯
(
うらが
)
れて、
水蕎麦蓼
(
みずそばたで
)
など一番多く繁っている。都草も黄色く花が見える。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
彼らはさも
気易
(
きやす
)
そうな態度で、
折鞄
(
おりかばん
)
に詰めて来た消毒器やメスやピンセットを縁側に敷いた防水布の上にちかちか並べた。夏もすでに
末枯
(
うらが
)
れかけたころで、ここは取分け
陽
(
ひ
)
の光にいつも
翳
(
かげ
)
があった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
末枯
(
うらが
)
るる秋の時節だけにすこぶる閑静な問答である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人は
髷節
(
まげぶし
)
を揃へて路地の外へ出ました。初冬の江戸の町は往來の人までが妙に
末枯
(
うらが
)
れて、晝の薄陽の中に大きな野良犬が、この
施主
(
せしゆ
)
になりさうもない二人を見送つてをります。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“末枯”で始まる語句
末枯野