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うらかな
と
心悲しい、が冴えた声。鈴を振るごとく、
白銀の、あの光、あけの明星か、星に響く。
散りこすな
努と言ひつゝ、
幾許も
吾が
守るものを、
慨きや
醜ほとゝぎす、
暁の
心悲しきに、追へど追へど尚ほし
来鳴きて、
徒に地に散らせれば、
術をなみ
攀ぢて
手折りて、見ませ
吾姉子。
人に
離れたやうな
世間に
遠ざかつたやうな
気がするので、
心細くもあり、
裏悲しくもあり、
覚束ないやうでもあり、
恐ろしいやうでもある、
嫌な
心持だ、
嫌な
心持だ。