“いひす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
言捨33.3%
言棄33.3%
謂捨33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言捨いひすてて忙しげに走り行く。瀧口、あツとばかりに呆れて、さそくの考も出でず、鬼の如き兩眼より涙をはら/\と流し、恨めしげに伏見ふしみの方を打ち見やれば、明けゆく空に雲行くもゆきのみ早し。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
幼君えうくん「さてなんにてもしよくこのむべし、いふがまゝにあたふべきぞ、退屈たいくつならば其中そのなかにてうたひまひ勝手かつてたるべし。たゞ兩便りやうべんようほかそとづることをゆるさず」と言棄いひすててたまひぬ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
謂捨いひすて、眞ツ蒼になツた顏で、一度ズラリ室内を見𢌞して、さツ/\と解剖室を出て行ツて了ツた。解剖臺に据ゑられた少女の屍體は林檎賣の娘のそれであツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)