“あさなわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
麻縄80.0%
麻繩20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水銀のげちらした鏡一つと、壊れた脚を麻縄あさなわでくるくるといた木の椅子いすが一つあるっきりの身窄みすぼらしい理髪屋であった。
医者は少し呼吸器をおかされているようだからと云って、切に転地を勧めた。安井は心ならず押入の中の柳行李やなぎごうり麻縄あさなわを掛けた。御米は手提鞄てさげかばんじょうをおろした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あがけばつまづき、躓いては踠き、揚句あげくに首も廻らぬ破目はめに押付けられて、一夜あるよ頭拔づぬけて大きな血袋ちぶくろ麻繩あさなわにブラ下げて、もろくもひやツこい體となツて了ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
オランダ人で伝法肌デスペラドといったような男がシェンケから大きなばりを借りて来てこれに肉片をさし、親指ほどの麻繩あさなわのさきに結びつけ、浮標にはライフブイを縛りつけて舷側げんそくから投げ込んだ。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)