“きれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キレ
語句割合
布28.5%
片18.9%
切16.2%
巾11.5%
布片8.7%
嫌3.2%
裂2.8%
帛1.7%
切布0.6%
布帛0.6%
片布0.6%
裂布0.4%
切片0.4%
布切0.4%
截片0.4%
断0.4%
紗0.4%
綬0.4%
織物0.4%
衣0.4%
衣片0.2%
切地0.2%
地衣0.2%
小布片0.2%
布地0.2%
希0.2%
帛片0.2%
截餘0.2%
断片0.2%
氈0.2%
白布0.2%
皆0.2%
眥0.2%
着0.2%
紙帳0.2%
綺麗0.2%
臠0.2%
黄巾0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
選んで入れる一つ一つの布(きれ)について、そのうたはひろ子の胸に鳴った。そのうたの思いは、このような形で現実の内容をもって来た。
播州平野 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
旗男は義兄の自信に感心しながら、西瓜の片(きれ)をとりあげた。そいつはすてきにうまくて、文字どおり頬(ほ)っぺたが落ちるようだった。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
僕は機関室へ帰ると直ぐに、汽鑵(ボイラー)の安全弁(バルブ)の弾条(バネ)の間へ、鉄の切(きれ)っ端(ぱし)を二三本コッソリと突込んで、赤い舌をペロリと出したものだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ヱルレトリの少女の群は、頭に環かざりを戴き、美しき肩、圓き乳房の露(あらは)るゝやうに着たる衣に、襟の邊(あたり)より、彩(いろど)りたる巾(きれ)を下げたり。
そして自分は、何々委員とかいう名を貰って、赤い布片(きれ)でも腕にまきつければ、それでいっぱしの犬にでもなった気で得意でいるんだ。
新秩序の創造:評論の評論 (新字新仮名) / 大杉栄(著)
「口のへらねえ野郎だ」松田は手を止めて栄二を睨みつけた、「いつでもひとをへこましゃあがる、そんなにおれが嫌(きれ)えなのか」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
乳液でまんべんなく手の甲を叩いておくだけで、爪は癇症なほど短く剪つて羅紗の裂(きれ)で磨いて置く。
晩菊 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
しかし袖印(そでじるし)だけは届け出での社名を用いることになっていて、わたしもカーキー服の左の腕に東京通信社と紅(あか)く縫った帛(きれ)を巻いていました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
日本の墨壺(すみつぼ)と云うのは、磨た墨汁(すみ)を綿(わた)か毛氈(もうせん)の切布(きれ)に浸(した)して使うのであるが、私などが原書の写本に用うるのは、只(ただ)墨を磨たまゝ墨壺の中に入れて今日のインキのようにして貯えて置きます。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
村役場と駐在所が中央(なか)程に向合つてゐて、役場の隣が作右衛門店、萬荒物から酢醤油石油莨(たばこ)、罎詰の酒もあれば、前掛半襟にする布帛(きれ)もある。箸で断(ちぎ)れぬ程堅い豆腐も売る。
猿轡(さるぐつわ)と申して口の中へ何か小さい片布(きれ)を押込み、其の上を手拭にて堅く結(しば)り、島田髷はガックリと横に曲り、涙が伝わって襦袢の半襟が濡れて居りまする。
寒い寒い信濃の冬の豆人形みんな頭から裂布(きれ)かぶつてる
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「この左股、……なんか、ブリキ缶の切片(きれ)のようなもんがありまして……」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
首の周囲(まわり)の白い布切(きれ)は、私の気づかぬうちに理髪師が取外(とりはず)して、扉の外で威勢よくハタイていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
痩せこけた頬に些(さ)の血色もない、塵埃(ごみ)だらけの短かい袷を着て、穢(よご)れた白足袋を穿いて、色褪せた花染メリンスの女帯を締めて、赤い木綿の截片(きれ)を頸に捲いて、……俯向いて足の爪尖を瞠(みつ)め乍ら
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
をれしところ力(ちから)よわり断(きれ)る事あり、是故(このゆゑ)に上品の糸をあつかふ所は強(つよ)き火気(くわき)を近付(ちかづけ)ず、時により織(お)るに後(おくれ)て二月の半(なかば)にいたり、暖気(だんき)を得て雪中の湿気(しつき)薄(うす)き時は大なる鉢(はち)やうの物に雪を盛(もり)て機(はた)の前(まえ)に置(おき)
それは恰度薄い紗(きれ)に冷たいアルコールを浸して身體の一部を拭いたあとのやうに山の空氣は常に爽やかな幼年時代の官感を刺戟せずには措かなかつた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
式場に集る人々の胸の上には、赤い織色の綬(きれ)、銀の章(しるし)の輝いたのも面白く見渡される。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その上には青い織物(きれ)が掛けてもあるし、肘突(ひじつき)なんかもあるし、腰掛には空気枕のようなやつが付いてて、所長の留守に一寸乗って見ると——ぷくぷくしていて、工合のいいことと言ったら。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
黒い衣(きれ)で眼かくしされてゐるやうに暗かつた。見ると、そのなかに、然し眼をひよいと疑ふ程に、鱗光が、ひらめいた。その次にすぐ、力強い、水をたゝきつける音が起つた。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
其の人夫の先頭に立った大きな男の背には一人の人夫が負われて、襦袢(じゅばん)の衣片(きれ)で巻いたらしい一方の手端(てくび)を其の男の左の肩から垂らしていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、其の大きな男の後(うしろ)にも枴(おうこ)で差し担った簣(あじか)が来ていたが、それにも人夫の一人が頭と一方の足端(あしくび)を衣片(きれ)でぐるぐる巻きにして仰臥(あおむけ)に寝かされていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼女はトボケでもしないかぎり、どの面(つら)をさげて、そんな養生園へ行かれようと考えた。丁度、国から持って来た着物の中には、胴だけ剥(は)いで、別の切地(きれ)をあてがった下着があった。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は黒い着物を着て、地衣(きれ)の帽子をかぶっていました。私の目にはっきりと残っているものは、ただその灰黒色(かいこくしょく)の髭だけでございます。
姉は、ことに小布片(きれ)が好きであった。様様な色彩(いろ)の絹類を大切に持っていた。どうしたはずみだったか、姉の名あての手紙の束を見たことがあった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
表装の布地(きれ)はチョット見たところ織物のようであるが、眼を近づけて見るとそれは見えるか見えぬ位の細かい彩糸(いろいと)や金銀の糸で、極く薄い絹地の目を拾いつつ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僧等は幾襲(かさね)の美しき衣を脱がせて、姫を柩(ひつぎ)の上に臥させまつり、下に白き希(きれ)を覆ひ、上に又髑髏(どくろ)の文樣(もんやう)ある黒き布を重ねたり。忽ち鐘の音聞えて、僧等の口は一齊に輓歌(ばんか)を唱へ出しつ。
あゝ狂へるアラーニエよ、我また汝が既に半(なかば)蜘蛛となり、幸(さち)なく織りたる織物の截餘(きれ)の上にて悲しむを見き 四三—四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
母は机の奥から屑籠を引(ひ)き擦(ず)り出した。手紙の断片(きれ)を一つ一つ床から拾って籠の中へ入れる。捩(ね)じ曲げたのを丹念に引き延ばして見る。「いずれ拝眉(はいび)の上……」と云うのを投げ込む。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お寝(よ)っていらっしゃいましこの寝台へ。……そうして誰が参っても、この氈(きれ)で顔を隠し、じっと黙っておいで遊ばせ。……すぐに帰って参ります」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
楯彦氏は白布(きれ)の下から手を出して、剃落(そりおと)された自分の頭にそつと触つてみた。頭は茶碗のやうに冷かつた。
一體皆(きれ)の長い、パツチリした眼で、表情(へうじやう)にも富(と)むでゐた。雖然智識(ちしき)のある者と智識のない者とは眼で區別することが出來る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
近子は眥(きれ)の長い眼を嶮(けは)しくして、「何(な)んでございますツて。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
助け孝順なる事誠に稀(まれ)なる深切にして自分は一向に姿態(なりふり)にも構(かま)はず着(きれ)ば着たなり又門弟中より申うけたる金なども何程あるやら勘定もせず少しも欲心(よくしん)のなき人なれば門弟中(ちう)の中重立(おもだち)たる者が夫是(それこれ)の取始末(とりしまつ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼の父左衛門は、生前、春、秋、冬を、その中に住み、夏は紙帳(きれ)を畳んで蒲団の上に敷き、寝茣蓙代りにしたが、左門も、春、秋、冬をその中に住み、夏は寝茣蓙代りに、その上へ寝た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あないに何処も彼処(かしこ)も白おしたら晴れがましおしてなあ。………あんさんとこの奥様(おくさん)みたい綺麗(きれ)おしたらよろしおすけど。………」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その次の庚申の日には私の家へきて下さいと招かれたが、その晩土産といって紙に包んでくれたのが、例の人魚の一臠(きれ)であった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なんだと思う。頭髪(あたま)の黄巾(きれ)を見ろ。大賢良師張角様の方将(ほうしょう)、馬元義というものだ。家探しして、もし食物があったら、素ッ首をはね落すがいいか
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)