“きれじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キレジ
語句割合
布地34.4%
裂地31.3%
切字15.6%
切地12.5%
巾地3.1%
片地3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには、赤い布地きれじでつくった古風こふう百姓ひゃくしょうの着物——みじか胴着どうぎ、ひだのあるスカート、真珠しんじゅかざりのついた胸着むなぎ——がいくつか入れてありました。
表具店の主人は表装の裂地きれじの見本を奥へ探しに行つて手間取つてゐた。都合よく、隣の茶店での話声が私によく聞えて来る。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
この句もまたこの切字きれじのないような一直線な叙法が、旅人のいつも絶えずに其処に休んでいることを聯想さすに十分の力を持っているのである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
此度、三人の切地きれじ、さや形ちりめん六尺遣申候。一、二、三。印付け可遣候、折角内密之取計い専一に存申候
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
巾地きれじは粗末だが、仕立は無類という、身体からだにピタリと合ったモーニングを着て、赤革のカバンを持った中年の紳士、懐の金と、目尻の微笑は切らした事が無い、といった感じのする人物です。
古銭の謎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
千代子は洋服の片地きれじでも見る時のような調子で、「いいの居ないもの。居なそうだわ。」
心づくし (新字新仮名) / 永井荷風(著)