“きじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雉子35.4%
21.3%
生地21.0%
木地8.5%
記事5.9%
素地2.6%
奇事1.0%
亀茲0.3%
喜時0.3%
喜路0.3%
布地0.3%
本質0.3%
紀路0.3%
素樸0.3%
肌地0.3%
肌質0.3%
胎土0.3%
詭辞0.3%
0.3%
黄染0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
餅菓子店もちぐわしやみせにツンとましてる婦人をんななり。生娘きむすめそでたれいてか雉子きじこゑで、ケンもほろゝの無愛嬌者ぶあいけうもの其癖そのくせあまいから不思議ふしぎだとさ。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかしもう梢から梢へくぐり抜ける小鳥たちの影には春らしい敏捷びんしょうさが見られた。暮方になると、近くの林のなかできじがよくいた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
生地きじの芙蓉も美しかったけれど、全身に毒々しく化粧をした芙蓉は、一層生前のその人にふさわしくて、云い難き魅力を備えていた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これは彩色なしではあるが、木地きじのままでも、その物質そのままを感じ、また色彩をも感ずるように非常に苦心をしてったのであった。
まへ内外ないがい火山かざん巡見じゆんけんした場合ばあひ記事きじかゝげていたが、諸君しよくん兩方りようほう比較ひかくせられたならば、國内こくない火山作用かざんさようがいしておだやかであつて
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それに有利なことにはほとんど一村こぞってこの仕事をする。あるものは素地きじを、ある者は轆轤を、ある者は塗を背負う。こんな事情のいいことはない。
陸中雑記 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
雪の奇状きじやう奇事きじ大概たいがいは初編にいだせり。なほ軼事てつじあるを以此二編にしるす。すでに初編にのせたるも事のことなるは不舎すてずしてこれろくす。けだし刊本かんほん流伝りうでんひろきものゆゑ、初編をよまざるものためにするのあり。
そして喜多村翁の所説は、獅子舞は西域の亀茲きじ国の舞楽が、支那の文化とともに、我国に渡来したのであると云う、純乎たる輸入説である。
獅子舞雑考 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
だから貧時ひんじにはひんばくせられ、富時ふじにはに縛せられ、憂時ゆうじにはゆうに縛せられ、喜時きじにはに縛せられるのさ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当人もいよ/\乗気になって、浜町の家元から清元喜路きじ太夫という名前まで貰うことになってしまいました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
頭こそまで禿げて居りませんが、五十五六年配で、山羊やぎ髭で、一番贅沢ぜいたく布地きじを一番無恰好に裁ったといったような、ダブダブの背広に、風呂敷ほどある大きなネクタイ
古銭の謎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
びんかきに、当代の名匠が本質きじへ、肉筆で葉を黒漆くろうるし一面に、の一輪椿のくしをさしたのが、したたるばかり色に立って、かえって打仰いだ按摩の化ものの真向まっこうに、一太刀、血を浴びせた趣があった。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他人あだしひとのいうことをまことしくおぼして、あながちに遠ざけ給わんには、恨みむくいん、紀路きじの山々さばかり高くとも、君が血をもて峰より谷にそそぎくださん」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一つはお浪の心安立こころやすだてからでもあろうが、やはりまだ大人おとなびぬ田舎娘の素樸きじなところからであろう。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
だが若い妹達に、まだ男の愛を肌地きじのよしあしで品さだめしない娘たちに、はたしてじぶんの夫の愛情のようなものが判るかしらん。牛乳の味が判るかしらん。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
復一はボートの中へ仰向あおむけにそべった。空の肌質きじはいつの間にか夕日の余燼ほとぼりましてみがいた銅鉄色にえかかっていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
胎土きじが釉藥に親和しなかつたり、火度が適度でなかつたり、窯中に於て器の置き場所が惡かつたりすると、釉と土とが相反撥したり、はぢけたり、釉が剥落したり、完全な釉の發色がない。
やきもの読本 (旧字旧仮名) / 小野賢一郎(著)
ただもう聖賢の言葉ばかりを暗誦あんしょうさせられて育って来たが、この東洋の誇りの所謂いわゆる「古人の言」は、既に社交の詭辞きじに堕し、憎むべき偽善と愚かな迷信とのみを醞醸うんじょうさせて
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
譬えば鍍金めっきせるものの角々に真のきじあらわるるが如しなどおもう折しも、按摩あんま取りの老いたるが入り来りたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
万葉集に『沖つ国知らさむ君がやかた黄染きじめの棺神の海門渡る』
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)