“素樸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そぼく80.0%
きじ6.7%
じみ6.7%
アーケイク6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして或時思いも寄らず、吾が口を死人の口に近づけたのであろう。口を吸いたりけるに、と素樸そぼくに書いた昔の文は実に好かった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一つはお浪の心安立こころやすだてからでもあろうが、やはりまだ大人おとなびぬ田舎娘の素樸きじなところからであろう。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
婆さんは柔和にゅうわな微笑を浮かべて、こう述べたてながら二つの包みをほどいた。素樸じみなメリンスの単衣であった。濃い水色に、白い二つの蝶を刺繍ししゅうしたパラソルだった。
駈落 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
長さ四十二フィートのひどく堅い一本石の石灰石の立像で、殊にその顔の晴れやかな美しさは無類である。少し吊り上った口角の素樸アーケイクな微笑も印象的であれば、王冠の前部のコブラの形もうまい。
七重文化の都市 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)